材料記号の見かた 資料 -1-

JISに規定された金属はすべて記号によって表示されています。その記号もつける順序によって、それぞれ意味を持っています。この記号を理解すると、材料の種類や性質が解るようになります。

(例) SUS 304 - HP(熱間圧延ステンレス鋼板)

  • 一番目の文字は「」材質を表します。英語かローマ字の頭文字、又は元素記号にて表されます
  • 二番目の文字は「US」材料の規格名または製品名を表し、英語かローマ字の頭文字で示されます
  • 三番目の文字は「304」材料の最低引っ張り強さ、炭素含有量あるいは種類記号を数字で表します。材料によってはこの三番目までで材料記号が終わっている物もあります。
  • 末尾の文字「HP」形状・工程・製造方法あるいは質別などの種類を表しています。数字又は英語かローマ字の頭文字で示します。

以上で材料の全般としては理解できますが、材質によっては多少この順序にならない物もあります。さらに具体的に示すために、よく使われる鉄鋼材、銅合金材、アルミニウム合金材の三つに分け、実例によって説明します。

(1)鉄鋼材SS41(一般構造用圧延鋼材第二種)

はじめの文字SはSteelの頭文字で鋼を意味し、次のSはStructuralの頭文字で一般構造用圧延板を表しています。最後の2ケタの数字「41」は引っ張り試験器による、最低引っ張り強さ(kg/mm2)を示したのもので、この場合の41は、41~52kg/mm2の最低値を表しています。

  S35C(機械構造用炭素鋼鋼材)

Sは鋼(Steel)で、数字の35は炭素含有量の数値を意味し、Cは炭素を表しています。数字の35は、炭素含有量の100倍の数値で示され、炭素含有量の0.35%であることを意味していますが、実際には±0.03%程度の許容誤差があり、0.32~0.38%の平均値を取ったものです。

  SK2(炭素工具鋼第二種)

Sは鋼(Steel)で、Kは工具鋼の頭文字をローマ字で表したもので、数字の”2”は種類を表しています。

(2)銅合金材C2600P-1/2H(黄銅板)

Cは銅合金、Pは板(Plate)、数字の2600は種別を表し、銅と亜鉛の成分比が7:3の黄銅を示しています、2700は銅65%、2800は銅60%の黄銅を意味しています。1/2Hは質別で、Hが硬質、Oが軟質、1/2Hは1/2硬質の意味です。

(3)アルミニウム合金材A5052TD-H38(アルミニウム合金管)

第一番目のAは、アルミニウム(Aluminum)を表し、数字の5052はそれぞれ意味を持ち、第一位の5は1~8までの8種の主要添加物元素の違いを区別し、第二位の0は基本合金の変形、または不純物の限度を0~9まで分け、第三位及び第四位は純アルミニウムではアルミニウムの純度を表し、合金では慣用呼称の合金数字を表しています。TDは引き抜管(Drawing-Tube)で、形状記号を表し、他には板(P)、引抜棒(BD)などがあります、H38は調質記号で、熱処理による質的変化の種類を示したものです。

【早わかり表】

1番目の文字
記号名称
鋼(Steel)
アルミニウム(Aluminum)
銅または銅合金
Bs黄銅(Brass)
青銅(Branze)
PBリン青銅(PhosperBronze)
亜鉛
タングステン又はホワイトメタル

*黄銅Bsは、黄銅鋳物YBsCや高力黄銅鋳物HBsCに使われますが、普通の黄銅は銅合   金としてC記号を用います。リン青銅PBもリン青銅鋳物PBCに用いるほかはC記号が使わ   れます。

2番目の文字
記号名称
棒(Bar)
板(Plate)
管(Tube)
線(Wire)
特殊用途鋼(SpecialUse)
UH耐熱鋼(Heat-Resisting)
UJ軸受鋼(ローマ字)
UM快削鋼(Machinability)
USステンレス鋼(Stainless)
UPバネ鋼(Spring)
工具鋼
KH高速度鋼(HighSpeed)
KS合金工具鋼(Special)
KDダイス鋼(ローマ字)
NCニッケルクロム鋼
鋳造品(Casting)
鍛造品(Forging)
TK構造用炭素鋼鋼管(ローマ字)
末尾につける文字
記号名称
-CP冷間圧延板(Cold Plate)
-HP熱間圧延板(Hot Plate)
-O軟質
-H硬質
-F製出のまま
-SR応力除去材

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