厚生労働省より、令和7年6月1日より改正労働安全衛生規則が施行されます

熱中症による死亡災害を防ぐために ― 職場でできる効果的な対策とは?
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夏の暑さが年々厳しくなる中、職場での熱中症による死亡災害が深刻な問題となっています。
ここ数年では毎年30人前後が、熱中症により命を落としています。特に屋外作業の現場では、そのリスクが極めて高くなります。
■ 死亡原因の多くは「初期対応の遅れ」
過去の事例分析によると、熱中症による死亡災害の多くが「初期症状の放置・対応の遅れ」に起因しています。
- 発見の遅れ:重症化してから気づいた(78件)
- 対応の不備:医療機関に搬送しなかった(41件)
「早く気づいていれば助かった」ケースが非常に多いという現実です。
職場で取り組むべき熱中症対策
【1】WBGT値(暑さ指数)の活用
WBGT値は、気温・湿度・輻射熱などを元に熱中症リスクを数値で示す指標です。
作業強度 | 作業例 | WBGT基準値(目安) |
---|---|---|
安静 | デスクワーク | 32~33℃ |
軽作業 | 軽い工具作業など | 29~30℃ |
中程度作業 | 配管・左官・組立 | 26~28℃ |
重作業 | 荷物運搬、ハンマー作業 | 25~26℃ |
極めて重作業 | 掘削、走行作業 | 20~25℃ |
これらの基準を超える作業には、作業内容の見直しや冷却設備の導入が必要です。
【2】熱中症予防の4つの基本対策
- ① 作業環境の管理:直射日光の遮蔽、冷風機・休憩所の設置など
- ② 作業の管理:作業時間の短縮、水分・塩分補給の指導、涼しい服装の着用
- ③ 健康状態の把握:睡眠不足・体調不良・飲酒・朝食抜きはリスク要因
- ④ 衛生教育の実施:熱中症の兆候、対応方法、119の活用などを共有
“いつもと違う”は危険のサイン!
次のような症状が見られたら、初期症状の可能性あり。すぐ周囲に伝え、対応を!
■ あれっ、何かおかしい
- 手足がつる
- 立ちくらみ・めまい
- 吐き気
- 汗のかき方が変(出ない/止まらない)
■ あの人、ちょっとヘン
- イライラしている
- フラフラしている
- 反応が鈍い/ボーッとしている
【3】熱中症が疑われる場合の対応フロー
■ 基本の流れ
- 異変に気づいたら、作業中止+冷却
- 意識レベルの確認(呼びかけへの反応)
- 水が飲めるかどうかの判断
- 救急搬送または医療機関への連絡
※一人にしない/搬送中も観察を続けることが重要!
【4】労働安全衛生規則の改正も進行中
厚労省では、熱中症の初期対応を「見つける → 判断する → 対処する」という流れで強化しています。
作業員一人ひとりが異変に気づき、声をかけ、対応できる現場づくりが求められています。
■ 注意が必要な作業環境
以下の条件に当てはまる作業では、特に厳重な対策が必要です:
- WBGT値 28℃以上 または 気温31℃以上
- 連続1時間以上の作業、または1日4時間を超える作業
まとめ
「なんかおかしいな?」と感じたら、それは命を守る大事なサインです。
周囲の人や現場管理者にすぐ知らせ、作業を止め、冷やし、適切に対応しましょう。
職場全体で「重症化させない」「死亡させない」仕組み作りを!